ホッキを食う者は冬の青森を制す
ホッキ貝の名産地
と言われて思いつくのはどこでしょうか。
有名どころは北海道苫小牧市。北海道を旅したことのある人にはマルトマ食堂さんのホッキカレーはあまりにも有名ですね。
苫小牧は新千歳空港からもほど近く、新日本海フェリー(新潟)や太平洋フェリー(名古屋・仙台)、さんふらわあ(大洗)などの本州からのフェリーターミナルもあり、道内でも本州からのアクセスが良い場所です。
とはいえ、北海道です。
飛行機は事前に計画立てて予約をしておかないと諭吉様も多数離陸していかれますし、繁忙期以外であればフェリーはお安くかつ直前でも我々を北の大地へ誘ってくれますが、なにせ移動だけで丸1日かかります。
朝起きて、「あ、ホッキ食いてえ」となってしまったこの衝動をどのように収めればよいのでしょうか。
海は繋がっている
ホッキの話ではありませんが、よく聴いているPodcastでこんな話題を耳にしました。
世界にカメは280種類ぐらい存在しているのですが、そのうちウミガメといわれる種はたったの8種しかないそうです。なぜ8種しかいないのかとウミガメ研究所に問い合わせてみると、
『ミモリラジオ#19 ウミガメのスローな生き方。海水を飲む不思議な暮らし〜ウミガメの生き方その1 』から要約
「それは、世界の海が繋がっているからです」
とステキな答えが返ってきました。
そうと聞けば合点のいく話で、なにもホッキのために津軽海峡を渡る必要はないのです。海は繋がっているので(2回目)。
そう、苫小牧から海を挟んだ本州、ここ青森県の太平洋側たる八戸市から三沢市にかけてもホッキ貝の大変美味しいところなのです。
ところでホッキ貝って何者?
詳細な説明は外部サイトのほうが詳しいのでそちらをご参照ください(丸投げ)
大事なことは12月〜3月が旬だということです。
冬の八戸で外せない。うみねこ亭の絶品ホッキ丼
ここでようやく今回の本題です。
冬の八戸で絶対外せないお店、うみねこ亭さんです。
JR八戸線 白銀駅からほど近く、駐車場も完備で旅行者にはうれしいアクセスの良さ。
それほど大きくない店舗ながらも人の良いご主人と女将さんが温かく出迎えてくれます。
ここで味わえるのは地物のホッキを使ったホッキ丼。
海藻ラーメンとのセットがオススメです。
ますホッキ。少しピンクがかっているのはホッキは熱が入ると甘みが増すので、さっと湯通したから(きっと)なのですが、食感はほぼ生。
シコ、甘
シコ、甘
シコ、甘…
噛めば噛むほど生のシコシコ食感と甘みが広がって口の中がホッキの旨味だらけに。たまらん。
ここでご飯をいただくとしましょう。
よく見るとご飯のうえにめがぶが一面に敷かれています。
このめかぶ自体が出汁になるのはもちろん、ホッキの貝汁を受け止め、自身のネバネバで包み込むことでホッキの旨味を余すことなくご飯に届けるのです。
我慢できるわけもなく夢中でご飯をかき込むと、また次のホッキへ…
といきたいところですが、いったんその衝動を抑えてラーメンにも目を配りましょう。
丼ぶりのオマケ…と侮るなかれ。
この濁りなき透明のスープに海藻の旨みがすべて溶け込んでいます。
海藻の他に具は小ぶりのエビとホタテで、海鮮に全振りしているところが好感度◯。
スープは太平洋を凝縮したかのような塩ベース。この程よい塩味が再びホッキの甘みを誘います。
なんということか、ホッキ丼と海藻ラーメン、海鮮と海鮮で無限機関が完成してしまうのです。
白く輝く砂浜と、打ち寄せては消えるさざ波のようなホッキ丼と海藻ラーメンの名太平洋コンビなのでした。
さらに小鉢には煮魚、ホタテ入り茶碗蒸し、デザートにフルーツ載せのコーヒーゼリーとボリューム満点で至れり尽くせり。
八戸の冬、いただきました!!
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